日中韓首脳会談における安倍首相への厚遇について思う

Last-modified: Sat, 28 Dec 2019 20:29:19 JST (1590d)
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 日中韓首脳会談2019のために訪中した安倍晋三首相は、どちらかと言えば中国寄りと思える韓国の文在寅大統領と比較して、滞在日数や食事待遇などにおいて、明らかに中国政府から厚遇されたと思われる。 対米貿易摩擦などによる米国による圧力に加え、新疆ウイグル自治区や香港での人権問題など、国際的に孤立化しようとしている中国にとって、安倍首相を厚遇することによって、これらの緩和につなげることの方が、韓国経済の低迷だけでなく、何かと孤立化を深めている文大統領を厚遇するより重要との判断なのだろう。

 安倍首相は、習近平国家主席の来春国賓訪日の成功を目指すと発言したそうなので、今更、日本政府側から招待を断るわけにもいかないだろうが、来春に入っても、なお香港問題が解決しないようであれば、明確に国賓として迎えられない旨を伝えるべきではないだろうか。 少なくとも、香港問題が平和裏に解決しない状態で、習国家主席を日本の国賓として迎えるべきではないだろう。

 かって、天安門事件で国際社会が人権問題上、厳しく対応しようとしていたとき、日本政府の意図はどうあれ、平成天皇の訪中によって人権問題をなし崩しにしてしまった経緯があるし、習近平氏が国家主席になる時にも、日本に国賓として迎えることによって氏を支持したこともあった。 これでは日本政府は、中国政府の人権軽視を支持していると国際社会から誤解されかねない。

 日本政府も、隣国の韓国政府に対して主張すべきことをようやく少しずつ主張するようになってきているようだが、「令和」になって、中国に対しても主張すべきは毅然として主張する政府であって欲しい。 どの国とも仲良くするという八方美人外交は、今の憲法九条の趣旨に則っているのかもしれないが、まともな国の外交ではないように思うのだが。

主な参考:


―2019.12.27―