トランプ氏のアメリカ次期大統領の勝利宣言に思う
アメリカの次期大統領に、共和党のドナルド・トランプ氏が勝利宣言した。
トランプ氏に祝意を示す。
この選挙結果を見て、メディアと既成政党の有り方が曲がり角に差し掛かっているのではと感じた。
日本の主なメディアは、直前まで一貫してクリントン氏優勢の報道だった。 外国の大統領選なので、正確な報道を期待するのは酷かもしれないが、日本のメディアは政治的公平性を謳っているはずなのに、あまりにもクリントン氏寄りの報道が多かったような気がする。 政治的公平性とは、日本の政治だけが適用範囲で、アメリカなど外国に対しては政治的公平性を保持しなくてもよいのだろうか。
中国などの共産主義国や独裁国家に対しては、政治的公平性を保持せず、日本よりの報道をしたほうが良いと思慮する。 しかし、アメリカのような同盟国の政治に対しては、政治的公平性を保持して報道する必要があるのではないだろうか。
ほとんどのメディアが一様に偏った報道をしたということは、日本のメディアの報道の在り方に危機が迫っているのだと言ったら言い過ぎだろうか。 これを機会に、政治的公平性と報道姿勢について、必要性も含めて改めて見直していただきたい。
もともと、民主党大統領が2期続いただけでも危険を感じていたので、共和党候補がようやく当選したことに安堵している。 ただ、今回、共和党が一丸となってトランプ候補を支持しなかったのが非常に気になった。
先般の東京都知事選で、自由民主党の小池氏が自党の推薦を受けずに立候補し当選した。
自由民主党や民進党などの推薦がないことを売りにしての東京都知事当選。
政治家としての実績がないことを売りにして、勝ち抜いた大統領選。
トランプ氏のケースと小池氏のケースはかなり状況が異なるが、いずれも既成政党の行き詰まり感を感じさせるという共通点がないだろうか。
トランプ氏は、「アメリカを再び偉大にする」がスローガンだそうだ。 民主党政権とは違い、トランプ政権では中国に追いつかれるリスクは大きく減少したと思慮する。 政治家というより、実務家として、過去のしがらみを無視してアメリカを再び偉大にしてくれると期待している。
これからの日本に対しては、いつまでも敗戦国としての対応ではなく、独立国であるパートナーとして、いかにあるべきかが問われてくるだろう。 日本としては、従来のようなアメリカに依存しているだけの外交戦略ではなく、独立国として本来の外交のあり方を原点に帰って見直す必要があると思慮する。
日本政府には、このトランプ大統領誕生を契機として、自由民主党の行き詰まりも踏まえ、これからの日本の外交戦略を原点に帰って見直し、アメリカや中国・ロシアなどと対応していただきたい。
日本のマスメディアも今回の失態を反省し、アメリカを中心とした外国への報道姿勢を見直していただきたい。 そして、世界の中の日本がいかにあるべきかを原点に帰って見直し、単に政権の足を引っ張るのが使命かのような報道姿勢は差し控えていただきたい。
それにしても、アメリカの大統領選はなぜこうも、いろんな意味で時間が掛かるのだろうか。
簡単に変えられてしまう日本の総理大臣選と同様というわけにもいかないが、もう少しスピーディにならないだろうか。 時間が掛かるのは、各州の独立性や民主主義の代償ということもあるのだろうが、選挙方式についても原点に立ち返って、ここらで見直してもよいのではないだろうか。
―2016.11.10―