ポケモンGOを速やかに規制すべきではないだろうか

Last-modified: Wed, 07 Nov 2018 18:01:24 JST (2019d)
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 とうとう日本でも「ポケモンGO」が上陸してきた。 誰がどのようにゲームをしようが勝手だとは思うし、この7月に入ってから任天堂の株価が倍増しており、歓迎すべきであっても批判すべきではないのかもしれない。

 「ポケモンGO」を歓迎する意見はさておき、批判する意見のなかに、一般に、ゲームに熱中することへの懸念を主張しているものも多々散見される。 確かにそのような懸念を否定するつもりはないが、「ポケモンGO」を批評する場合に、ゲーム一般に熱中することへの問題点と、現実世界の位置情報を使用していることの問題点とを分けて議論したい。

 本稿では、後者について絞って考えてみる。 「ポケモンGO」に特別な恨みがあるわけでもないが、本稿では、「現実世界の位置情報を利用してゲームをすること全般」を「ポケモンGO」として、以下表現するので、お許しいただきたい。

 一般的にゲームと言えば、室内で遊ぶ不健康なものを連想することが多いが、「ポケモンGO」の場合は屋外に出ることを前提としているので、これはある意味大きな利点と言えるのではと思う。 それはさておき、「ポケモンGO」には少なくとも次の問題点があると思う。

1.歩きスマホ
 「ポケモンGO」は基本的に移動しながらゲームをすることを前提としている。 速い速度での移動や長距離移動での「ポケモンGO」は、論外として、例え1メートル程度の移動だとしても、その間、周りが見えなくなっているとすれば、危険であると考える。

2.周りへの配慮
 仮に、移動しながらではないとしても、不特定な場所での「ポケモンGO」には、TPOとしての課題がある。
・その場所は当事者が入っても良い場所なのか
・その場所は「ポケモンGO」として適切な場所なのか
・「ポケモンGO」のために大量の人間が集中して集まっても良い場所なのか

3.犯罪の誘発
・「ポケモンGO」のために人間が集中して集まる場合に何らかの事件を誘発しないか。
・「ポケモンGO」と盗撮などの一般犯罪との区別がつきにくくなる。

 これらについて、考えてみる。
1.歩きスマホ
・これは個人のマナーの問題であり自己責任と言えるかもしれないが、「ポケモンGO」が移動使用を前提としているのであれば、ゲーム作成者に責任があるといえるのではないだろうか。

2.周りへの配慮
・どこにターゲットを出現させるかの問題であり、必ずしも個人の問題とは言えず、出現場所設定の問題であり、場所設定者に責任があるのではないだろうか。

3.犯罪の誘発
・人間が集中することにより、事件を誘発するということであれば、 誘発された者の自己責任という言い方もあるが、場所設定者にもある程度の責任があるのではないだろうか。
・盗撮などの一般犯罪との区別については、少なくとも「ポケモンGO」であることの外部への明確な表示の工夫をすべきではないだろうか。 それができないのであれば、規制すべきと考える。

 本稿で、「ポケモンGO」、そのものを禁止しようと言っているわけではない。 「ポケモンGO」をするのであれば、場所を限定して、その場所の管理者の了解のうえで実施していただきたい。 私有地は論外として、一般道や公園等での実施は禁止していただきたい。

 企画するとすれば、イベントとして遊歩道にするなど許可を得てから実施して欲しい。 「ポケモンGO」の主催者は仮想空間上での設定だと主張したいかもしれないが、現実空間の利用を想定するからには、主催者はある程度現実世界のルールを守っていただく必要があると思う。

 これらのすべての課題の責任を「ポケモンGO」実施者に負わせるのは、製造・販売者として、無責任ではないだろうか。 包丁の所持者が勝手に犯罪に利用しただけで、包丁の製造・販売者には何の関係もないというのと、「ポケモンGO」の場合とは意味がまったく違うと思う。

 一般に日本人はマナーが良いと言われる。 「ポケモンGO」についても日本では外国のようなことはないという方もいるようだが、逆に「ポケモンGO」の上陸によって日本人のマナーが低下するのではと懸念する。

 銃を作るのも販売するのも自由であり、それを間違って使用した者が犯罪者として罰せられるという自由な国もある。
 「ポケモンGO」と銃を同一視する気もないが、少なくとも日本で、まず、「ポケモンGO」を法律なり条例なりで速やかに規制する必要があると訴えたい。


―2016.7.24―