文化庁による平成 25 年度 「国語に関する世論調査」結果の感想

Last-modified: Tue, 01 Jan 2019 21:57:00 JST (1964d)
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 先般、文化庁から平成 25 年度 「国語に関する世論調査」の結果が発表された。
 日本語に不得手の者が、日本語表現の適切性について意見を言う立場にないことを承知のうえで、的を射ているかどうか定かではないが、以下慣用句等の言い方について感想を述べる。

(1)「他山の石」とせよ
 「誤った言行も参考にせよ」ではなく、「良い言行を手本とせよ」との理解をしている人が増えてきているそうである。
 おそらく、誤った言行を参考にする発想がないのだろう。
 または、参考にすべき言行に対する正否の認識がズレているのではないだろうか?
(2)「世間ずれ」している
 「世間ずれ」すると、賢くなるのではなく、悪くなると考える人が増えてきているようである。
 おそらく、青年が、社会人に成長していくことによって賢くなるのが本来の姿だと思うが、社会人を悪だと思い込んでいることが背景にあるのではないだろうか。

(3)議論が「煮詰まる」
 「議論が十分に出尽くした」ではなく、「行き詰まっている」との理解をしている人が結構いるそうである。
 おそらく、議長が出尽くしたと思っていても、周りはそうは思っていないことから誤解が発生しているのではないだろうか。

(4) 省略

(5)やぶさかでない
 「喜んでする」ではなく、「仕方なくする」と理解している人の方が多いそうである。
 おそらく、本人が喜んでさせていただくと言っていても、信用されていない場合が多いということではないだろうか。

(6)「まんじりともせず」やれ
 「眠らないでやれ」ではなく、「じっと動かないでやれ」と理解している人が多いそうである。
 おそらく、眠らずにやれと言われてもできるわけもなく、とりあえずそこでじっとしているのが関の山ということではないだろうか。

 今の若い者は正しい慣用句の意味を知らないということであれば、単に国語力の問題なのだが、目上の者への不信感や意識ギャップが背景にあったりしないだろうか。
 職場内での仕事の進め方・指導の仕方や政治家に対するマスコミ評価の仕方など、反省点が多々あるのではないだろうか。

 ちなみに、「~する」のところで、一カ所日本語ではないもの、「ディスる」がある。
 他に比べ、普及度がまだ低いようだが、「いじめ」用語のようで気になる。
 また、「告る」という言葉ので、「チクる」を連想してしまったのは私だけなのだろうか。
 対語だったりしないのだろうか。

 「言葉の乱れ(意味の流動化)」、即、「躾のなさ」などと、悪く決めつけるのはいけないのかもしれないが、社会の乱れと関連しているようで気になる。
 考えすぎであれば良いのだが。


―2014.10.3―