日馬富士関が引退するそうだが、貴乃花親方はどうするのだろうか

Last-modified: Sun, 21 Oct 2018 14:41:22 JST (2036d)
Top > 日馬富士関が引退するそうだが、貴乃花親方はどうするのだろうか

 日馬富士関が引退宣言をした。 自責の念に駆られた自主的なものか、どこかからの引退の強要があったのかは知らない。 暴行事件を起こしたことは確かにいけないことではあるが、日馬富士関のファンからすれば、相撲協会やマスコミからの日馬富士関いじめあるいは、貴乃花親方によるモンゴル力士いじめに見えたりするのは見当はずれなのだろうか。

 貴乃花親方・貴ノ岩関の診断書の出し方に疑問を感じる。
 2017年10月に鳥取で出された一度目の診断書は、警察に被害届を出すための添付書類だと思われる。 この診断書は被害の存在と程度を示すものとなると推察するが、軽度の障害と判断したためか、貴乃花親方は八角理事長側には報告をしていないようである。 実際は、貴乃花親方が報告をしたにもかかわらず、八角理事長側が受理しなかったのかもしれない。 仮に受理されなかったのであれば、その時点でその旨を公にすべきだったのではないだろうか。

 11月9日に2度目の診断書が出されているようだが、この目的がよく分からない。 十一月場所の休場届の添付書類であれば、「休養を要する」または「相撲をとれない」旨の文言が明記されるべきではないだろうか。 一般に診断書は自分のために書いてもらうのではなく、第三者に何かを伝えることを目的としている。 診断書を作成した医師の問題のようでもあるが、診断書作成依頼時に休場届への添付であることが伝えられていたのだろうか。

 相撲協会の危機管理委員会による聞き取り調査に対し、貴ノ岩関が体調が悪くて協力できないというのであれば、この時も診断書が必要だと思われるが、提出されたのだろうか。

 貴乃花親方には、八角理事長側に対する不信感があるようである。 仮にそうだとしても、組織の最低のルールは遵守する必要がある。 それができないのであれば自身が組織を脱会すべきである。 このような貴乃花親方の対応を相撲協会としても看過すべきではないと思慮する。 これを看過するというのであれば、八角理事長側も貴乃花親方と同罪でなはいだろうか。

 日馬富士関の引退の是非は別にして、八角理事長側および貴乃花親方の行動には非常に疑問を感じる。 力士に訓辞を垂れる前に、自らの反省が必要ではないだろうか。 横綱審議会も日馬富士関や白鵬関の非難をする前に、自らの横綱審議結果の反省をするなり、相撲協会への提言を行うなりする必要があったのではないだろうか。 日馬富士関の引退の要否などは、警察・検察等の調査結果や暴行当時の経緯が明確になってからでも良かったのではないだろうか。 その間の日馬富士関の処遇は、謹慎ということで出場停止にすれば良いと思慮する。 結論を急いで、日馬富士関に引退宣言をさせて幕引きをしようとするなどというのは、自分たちで責任を取らずに、早期決着を図ろうとする相撲協会の悪しき体質と見えてしまう。

 苦言ついでにマスコミや評論家たちにも言わせていただくと。
 日ごろ、相撲協会に批判的な方々は、事の詳細も分からないのに、ここぞとばかりに相撲協会の体質批判をしていたように思う。
 日ごろ、モンゴル力士会に批判的な方々は、事の詳細も分からずにここぞとばかりにモンゴル力士会の批判をしていたように思う。
 日ごろ、貴乃花親方に批判的な方々は、事の詳細も分からずにここぞとばかりに貴乃花親方の批判をしていたように思う。
 結論を急がず、本当の問題点がどこにあるのかをこの機会にしっかり見ていただき、一つひとつ改善していったいただきたいものである。

 白鵬関が「膿を出し切る」とか「日馬富士関と貴ノ岩関を再び土俵に上げたい」と優勝会見で話していたことについて苦言が呈せられているようだが、仮にモンゴル力士会が相撲協会から集団脱会して、新たな相撲協会を立ち上げたらどうなるかを考えたことがあるのだろうか。
 これは考え過ぎだろうか。


―2017.11.30―