清水富美加氏のいきなりの出家発表に思う

Last-modified: Sun, 21 Oct 2018 10:09:02 JST (2036d)
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 メディア報道や幸福の科学発表によると、女優の清水富美加氏が所属事務所を契約満了前に辞めて、出家するようである。 出家自体は悪いことだとは思わないが、報道から見る限り、幸福の科学側の主張に理解できないところが多々ある。

<事務所を契約途中で辞める>
 本人が病気で休みたいなら、辞めずに、ただ休めばよいだけではないだろうか。 事務所側の言い分としては、診断書の信頼性に不信があるようだが、であれば、本人の負担はあるかもしれないが、事務所側の医師にセカンドオピニオンを受ける必要があるのではないだろうか。 それすらできないほどの緊急性のある重症なのだろうか。

 幸福の科学側の言い分としては、何度も仕事の継続ができない旨を事務所側に伝えたのだが、「やれ」の一点張りで現在に到っており、急に辞めると言っているわけではないようである。 清水氏側の弁護士は、いつからこの件に携わったのだろうか。 事務所側としては、弁護士が出てこない限り、本人のわがままだと軽く考えていたと言われてもしかたがないのではないだろうか。

 また、労働環境の悪さで争う場合は、一般的に労働記録を取るということが行われるが、今回の場合はそれがあるのだろうか。 仮にあったとしても、契約方式が雇用契約であったかどうかも微妙に関係してくるのではと思慮する。

 報酬の話も出てくるので、辞める原因が労働環境や仕事内容だけなのかが曖昧である。 診断書が出てくるということは、労働環境や仕事内容が辞める原因だと思うが、報酬の不満を病気のせいにして、ドタキャンしていると誤解されかねない。

<出家とは何か、なぜ出家か>
 ここで言う出家とは何を意味するのだろうか。 生活のすべてを幸福の科学活動に捧げるという積極的な意味だろうか。 一般社会での生活に疲弊しきって、幸福の科学に助けを求めたという消極的な意味だろうか。

 仮に前者であれば、契約満了まで待てなかったのだろうか。 診断書が出ているのに即出家して活動するというのは第三者からは違和感がある。 仮に後者であれば、在家のままで救いを求めれば良かったのではないだろうか。 いずれにせよ、辞める辞めないで揉めているときに、出家という分かりにくいことを発表する必要があったのだろうか。 事務所との契約満了後、またはその直前に、出家を発表すれば良かったのではないだろうか。 仮に、幸福の科学への奉職が元気になる早道だということであれば、治療の一環として在家のまま準備活動をすればよかったのではないだろうか。

 これを方便というのかどうかは知らないが、幸福の科学は芸能界に不必要な喧嘩を売っているように見えて仕方がない。 「転べ」とは違うと思うのだが、間違っているのだろうか。 幸福実現党の発足時に、不必要にメディア攻撃することによって、メディアを敵に回して選挙戦に敗れている。 幸福の科学大学の申請時に、不必要に文科省を攻撃することによって、申請を認可されなかった。 今度は、不必要に芸能界を刺激して、何をしようとしているのだろうか。 トランプ大統領のように、メディアを敵に回すことによって勝つという戦略であれば良いのだが、そのような戦略があるとも思えない。

 『伝道の法』が説かれるということはこういうことなのだろうか。 幸福の科学の言っていることは何も間違っていないのだと思う。 しかし、その発表をただ数か月遅らせることによって不要な社会的軋轢を生まないとしたら、それを控えるのも智慧ではないだろうか。 イエス・キリストが自ら十字架に架かったのと同様のことになるのだろうか。

 ちなみに、芸能界のブラック企業化については、この投稿では省略している。

 幸福の科学のホームページおよび里村専務理事広報担当の会見概要は大まかに次のようなものだと理解している。
・もともと熱心な信者であり、人道的な作品に出演したいという意思を持っていたが、良心や思想信条にかなわない仕事が増え、心身の不調をきたすまでになり、ドクターストップで休むことになった。(診断書あり)
・少ない給与で、厳しい労働環境で働かされたこともあった。
・今回、突然スケジュールに穴をあけたのではなく、事務所がやれの一点張りだったため、このような事態になった。
・霊言をきっかけとして、宗教者として目覚め、天命を確信した。
・宗教上の緊急救済の必要があると考え、出家することになった。

<主な参考>
女優・清水富美加氏の幸福の科学への出家について
幸福の科学、清水富美加は「心身に傷」会見全文


―2017.2.14―