退位を巡る議論に天皇陛下がショックを受けておられる記事について

Last-modified: Sun, 21 Oct 2018 10:14:44 JST (2036d)
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 天皇陛下の退位などについて、門外漢が意見を述べるなど不遜であるとの思いから、投稿することを控えてきたが、あまりにも気になったので、投稿する。
 毎日新聞によると、ヒアリングの際に保守系の専門家から「天皇家は続くことと祈ることに意味がある。それ以上を天皇の役割と考えるのはいかがなものか」などの意見が出たことに、陛下が「ヒアリングで批判をされたことがショックだった」との強い不満を漏らされていたことが宮内庁関係者から明らかになったそうだ。

 天皇家の最も重要なことは、表現の問題はともかく、この2点であることは当然のことだと思慮する。
 天皇陛下のご公務には、次のものがあると認識している。

  1. 日本の祭司・神官の長としての祭祀
  2. 外国の大使や国民行事などへの対応
  3. 三権の長の任命など、言われるままに行う行為

 重要度の順に並べたつもりである。

 また、これらの公務を執り行うためには、当然ながら天皇家が存続している必要がある。 その意味では、天皇家の存続こそが何よりも重要な課題である。

 「子供を産めない嫁は、離婚されても、不倫をされても文句を言えない。」などという言葉に日ごろ反発している人権派には理解できないことかもしれないが、天皇家の存続は日本国の最重要課題の一つである。

 天皇陛下を宗教指導者として認めないとしても、本来の立場は神官の長としての祭司であり、祈ることである。 無宗教者には理解できないことかもしれないが、天皇陛下は日本の祭司であり、祈ることがアイデンティテイである。 それ以外は付随行為であり、体調が思わしくないのであれば、皇太子など摂政にお任せすればよいことである。

 このような保守系の専門家の意見がなぜ批判されなければいけないかが理解できない。 陛下がこの発言についてショックを受けられたかのような記事になっていたが、おそらく宮内庁関係者あるいは毎日新聞記者の誤解か偏向解釈なのではと想像する。 いろいろな意味で、陛下がそのようなことをおっしゃられるとは思えない。

 ところで、天皇陛下の退位について、「一代限りの特例法案では自分のわがままと思われるのでよくない。」と語られたとか、これについては何となく理解できるような気もする。おそらく、安倍政権が責任回避のためか、制度化を避けたのではと推察している。
 天皇家の存続について、政府には積極的な対応を望む。


―2017.5.22―