STAP 細胞の研究論文に対する理研の対応への意見

Last-modified: Wed, 02 Jan 2019 00:41:00 JST (1964d)
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 やや、意見を述べるタイミングを逸している話題のようでもあり、多方面から多様な意見が出ているが、自身の考えの整理のためにここで考えてみる。
 当該Nature誌論文を読んだわけではないが、主に理化学研究所(以下、理研)の2014年4月1日HPを基に下記論点から、私見を述べさせていただく。
 ・「研究不正」か?
 ・論文の取下げは適切か?

1.「研究不正」か?
 「疑義に関する調査報告書」では、2点の「研究不正」があると指摘されているが、同じHPに小保方コメントも掲載されている。
 当コメントでは、主に次のことが記載されている。
 ・指摘事項は、「悪意のない間違い」である
 ・指摘事項を含め、不適切な個所すべてを3月9日に
  執筆者全員からNature誌に訂正提出済みである

 小保方コメントが併催されていることは、フェアであると理研を評価したいが、本人が明確に悪意がないと言っており、しかも中間調査報告があった3月14日より以前に執筆者全員から訂正が済んでいる事項に関して、「研究不正」と評価する意図がまったく理解できない。

 少なくとも、「疑わしきは罰せず」とまで言う必要があるかどうかは分からないが、もう少し、該当者との調整が必要だと考える。
 調査委員会が、該当者との調整を諦めたというのであれば、第三者が納得できるようなそれまでの調整経過を示す必要がある。

 ちなみに、理研の規程第2条2項では、「悪意」のない行為は「研究不正」の対象外と規定されている。

2.論文の取下げは適切か?
 Nature誌論文の取下げの要否については、「悪意」の有無は無関係であり、「捏造」または「改ざん」の有無が判断基準になると考える。
 「捏造」とは、ありもしないことを言うことであり、「改ざん」とは、事実を曲げるて言うことだと理解している。 

 本論文に関しては、次のことが言える。
 ・すでにNature誌に訂正提出済みである
 ・理研自身がSTAP細胞(現象?)を否定していない
 仮に論文の体裁が稚拙であったとしても、STAP細胞が否定できない以上、論文の取下げ勧告はすべきでないと考える。

 賢明な理研および調査委員会諸氏が、このような簡単なことが分からないとは考えにくい。
 憶測による提言を控える努力をすべきだと認識はしているが、何か見えない圧力等があっての結論のように思えてならない。
 調査委員会および執筆者には、各位の本分に則ったご判断や発言を是非、期待したい。

 理事長が、「若い研究者について、独立性を確保しながら適切に導き、大きく成長させることは、~研究所の責務です。」と言っておられる。
 30歳は、新しい分野の研究者としては、けして若いとは言えないが、是非、小保方研究員に対しても暖かく見守っていただきたい。


―2014.4.23―