東京都舛添要一知事の公私混同疑惑等に思う

Last-modified: Wed, 07 Nov 2018 18:24:19 JST (2019d)
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 特段興味もないので静観していたが、東京都議会であまりにも都知事個人の「せこい話題」が何度も繰り返されている。 地方議会ではあるが大都市東京の議会である。 別に、他国や他自治体を気にする必要もないのかもしれないが、東京都議会は恥ずかしくないのだろうか。 他に重要な議題がないのだろうか。

 舛添都知事の公私混同ぶりには確かにあきれるが、犯罪行為を犯したことになるのだろうか。 仮に、せこい公私混同程度で知事に辞任を迫るのというのであれば、都議会こそが「せこい」ということにならないだろうか。

 極論というか雑な言い方をすれば、「違法」かどうかの基準が辞任の是非の基準であり、「不適切」かどうかは投票するかどうかの基準ではないだろうか。 そのため辞任の是非は可能な限り客観的でなければならないし、投票の是非はきわめて主観的となると考える。 まして、質問者が「せこい」と指摘する程度の疑惑である。 質問者の言っていることにまるで矛盾を感じてしまう。 相手が辞めるというまでいつまでも嫌がらせをするというのは、共産党が好きなブラック企業を想起させてしまう。

 確かに、舛添都知事の答弁には不誠実さを感じる部分もあるが、これはあまりにも「せこい」質問が続くので、真面目に答えられないという意思表示なのかもしれない。

 舛添都知事は、高額すぎると批判を集めた海外出張費については「経費を厳しく見直す」と述べ、渡航時のファーストクラスやスイートルームの利用をやめることを表明したようだ。

 「経費を厳しく見直す」のは常にしてかなければいけないことであり、当然だが、他については、知事が当初必要だと主張し、都の規定にも準じていたと推察していたが、これを簡単に中止しますで済むのだろうか。 これは、今後の都知事にも適用されるのだろうか。 目先の答弁から逃れるために、このような重大なことを簡単に表明することはいかがなものか。 新たな弊害が懸念される。

 舛添都知事の説明にあったが、自由民主党時代はそれなりの内規があり、公認会計士のチェックも受けていたようであるが、離党してからこの箍(タガ)がなくなり経理処理が甘くなったようである。 大企業を退職して、個人企業を立ち上げたはよいが内部管理が曖昧なために、本業そのものとは別の原因で倒産の危機を向かえている技術系社長を見ているようである。

 ちなみに、舛添都知事の発言で気になることを何点かあげてみる。
・少しでも政治に関わることがあれば、政治資金を使って良いというのは民間の感覚とは乖離している。 いかに重要な会議を行った場合であれ、個人的な時間や費用の割合が多いのであれば、経費全体を政治資金として処理するのはやりすぎだと考える。

・絵画等美術品を都市外交等の政治的ツールとして使用するから政治資金として処理してもよいという論理が理解できない。 趣味の個人所有ではなく政治ツールであるというなら、絵画等美術品のそれぞれの保管場所などを記した管理一覧表があるはずである。 当該組織の管理一覧表があればそれで問題ないし、ないのであれば、私的所有と指摘されても仕方ないと考える。 それでも政治利用だと主張したいのであれば、速やかに管理一覧表を作成する必要があるだろう。 また、都知事として来客にプレゼントするのであれば、その費用は政治資金というより、都の経費で購入するもののような気がするが、一般の知事や総理はこのようなケースではどのように処理しているのだろうか。

 都議会の傍聴者が定員枠を越しているそうである。 都民がこれを機会に、従来影の薄かった都議会に関心を持つようになれば、「怪我の功名」である。

 以前、東京オリンピックが呪われていると考えたことがあったが、周りの幸せを素直に喜べないというか、妬みというか、この歪んだ精神構造がマスコミや都民・国民にあることが原因ではないだろうかという気がしてきた。 マスコミや都民・国民は、今後も懲りずに東京オリンピックの足を引っ張る行為を繰り返していくのだろうか。


―2016.6.9―