SMAPの空中分解騒動報告に思う

Last-modified: Thu, 08 Nov 2018 16:59:40 JST (2018d)
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 芸能ニュースには、ほとんど関心はないが、この数日は何かとSMAP騒動の話題が各所で目についた。 昨日の某テレビ局のSMAP冠番組での生報告についてはSMAPに対して改めて好感を抱かせるものだったが、ある意味で典型的な日本的大人の謝罪でもあった。 外国人や若者はこれで納得するのだろうか。

 この数日間はSMAP騒動の第何幕目に当たるのかは知らないが、メンバー5人の生放送での報告により幕引きになるのだろう。 今後のSMAPの活動がどのように展開していくのか、テレビ局などはどのように対応していくのか、門外漢には想像もつかないが、今後も5人で活動するようなので、まずは祝福を送りたい。

 ほとんどのメディアがこぞって本騒動の報道合戦をしており、本テレビ番組での生報告の視聴率も高かったようで、SMAPの社会的影響の大きさを改めて痛感した。 そのなかで、NHKが、芸能報道を苦手としているのか、騒動報道をぼかすという気風があるのかは知らないが、終始ずれた報道をしていたのが気になった。 NHKの左傾化が噂されているようだが、今回それだけではないのではという印象を受けてしまった。

 それにしても、この報告で何を謝罪しているのかがまったく分からない。
・稲垣・香取・中居の各氏は騒動が発生したことに対する謝罪をしているが、騒動の原因・経緯・見解/反省等の説明をまったくしていない。
・これからも笑顔で前を向いて頑張るとの挨拶をしているが、SMAPの存続や5人で活動するなど今後についての明言を一切していない。
・リーダーでもない木村氏が、最初と最後に話をしているが、それについての説明もなく、彼自身は謝っていないように感じた。
・木村氏を除いての最後に報告をした草なぎ氏は「ジャニーさん」の名前を出し、木村氏への謝辞を述べたが、謝罪をしていない。

 入念な事前打合せのうえでの報告だと想像しているが、だとすれば、それぞれの違いと話題にしていない内容が、何を意味するのかが気になる。

 この報告の特徴は、シンボリックな人が、ただ謝罪をし、これで幕引きをしようとしていると感じられることである。 中国のあるSMAPファンが「SMAPは悪くないのだから、謝る必要がない。」と言っていた。 欧米や中国などの普通の国では、問題発生のキーマンが謝罪と反省を行うのが通例だと思う。

 しかし、日本ではそのキーマンが謝罪することは希であり、キーマンが誰かも分からないまま謝罪を終えてしまうのが一般的である。 そのため詫びるポイントはボケてしまい、そこでは的を得た反省は語られない。 今後の対応が検討されるとしても、まったく別の者によって別なところで粛々となされる。 謝罪は建前であり、本音部分ではまったく別次元でその対応がなされる。

 昨年の安倍談話や日韓慰安婦問題の合意などもこれと同様であり、典型的な日本的対応である。 この曖昧さがあるからこそ、日本は敗戦国でありながら、これだけの発展を遂げることができたのかもしれないが、外からは非常に分かりにくい。 このような対応を続けていれば、いつまでたっても外国からは信頼されず、謝罪国家であり続けることになるのではないだろうか。

 SMAPは、東京パラリンピックの「応援役」も担当しているそうである。 国立競技場建設問題、エンブレム問題だけでなく、東京都知事や文部科学大臣の突然の辞任問題が発生しているうえでのSPAMの空中分解騒動である。 いったいどれだけ東京オリンピック/パラリンピックは呪われているのだろうか。

 今後のSMAP関係者の対応はもちろんだが、オリンピック/パラリンピック関係者も心を新たにして謙虚に対応していただきたい。


―2016.1.19―